1965-03-17 第48回国会 参議院 本会議 第9号
今次総会が、軍縮、宇宙開発、中国代表権、原子力利用、植民地独立、低開発国開発援助など数多くの重要な議題について、何ら実質的な討議を行なうことなく終わったのは、まことに遺憾であります。今次総会が無為にして閉幕しなければならなかった原因は、言うまでもなく、国連軍経費の分担金問題で、アメリカとソ連がお互いにその主張を譲らず、妥協が成立しなかったためにほかなりません。
今次総会が、軍縮、宇宙開発、中国代表権、原子力利用、植民地独立、低開発国開発援助など数多くの重要な議題について、何ら実質的な討議を行なうことなく終わったのは、まことに遺憾であります。今次総会が無為にして閉幕しなければならなかった原因は、言うまでもなく、国連軍経費の分担金問題で、アメリカとソ連がお互いにその主張を譲らず、妥協が成立しなかったためにほかなりません。
第二の点として、低開発国開発援助についてのお尋ねでございましたが、これは過去におきましてしばしば政府の方針を明確にし、あるいは協力基金等も設置いたしておりますから、これでもうつけ加えるものはございません。今後はその内容の充実をはかっていくという点に、特に力を置くべきではないか。対象国は、これは各地域いろいろ考えられるわけでありますが、日本は多くの場合東南アジアを指摘されております。
このことは現在広く国際的にも認識されておりまして、先進諸国の間におきましては、従来各国が全く独自の見地から個別的にこれを行なって低開発国開発援助に当たっておったのでございますが、この先進国の低開発地区に対する援助というものは、特に開発援助グループ、対インド、対パキスタン債権者会議等を通じて、最近は先進諸国の協調によって低開発国援助を行なう機運がだんだん盛り上がっていることは、私は一つの進歩だと考えております
しかし、これらの問題も重要ではありますが、経済問題、特に低開発国開発援助の問題、すなわち百の低開発国と、その国民十二億五千万の運命こそは、目下世界最大の関心事であり、一九六〇年代の世界の経済発展は、この問題の解決なくしては、促進され得ないのであります。従って、日本の経済発展も同様と思います。世界のいかなる大政治家も、これに対しその態度を明確にせないものはないのであります。